アイスランドのクリスマス事情【まとめ】

こんにちは。
当サイトであるicevelを運営しているYamada(@icevel3)です。

12月の代表的な行事といえば「クリスマス」です。
世界には独自のクリスマス文化があり、アイスランドでも日本とは違うクリスマス文化があります。

「アイスランドのクリスマス文化の特徴は?」
「クリスマスシーズンにアイスランド旅行にいくのは最適?」

など疑問や知りたいことがあると想います。

今回の記事では、アイスランド独自のクリスマス文化や伝承内容、クリスマス料理、クリスマスマーケット、クリスマスシーズンに旅行をするときの注意点、などを解説しています。

アイスランドのクリスマスは「ユール」という

アイスランドではクリスマスのことを「jól」といい、日本語ではユール(Yule)といいます。

ユールとは?

ユールは元々、ゲルマン民族やヴァイキングの間で冬至のころに行われていた「光のお祝い」のことです。
その後クリスマスのキリスト教徒に改宗され、現在の北欧諸国ではクリスマスのことをユールと呼んでいます。

アイスランドの一般的なクリスマスシーズンは約15日間(12月23日〜1月6日)と長く続きます。

クリスマスシーズン中には以下の行事(イベント)があります。


12月24日:クリスマス・イブ(Aðfagadagur)
アイスランドの本格的なクリスマスの日は12月24日で、通常18時ごろの夕食からクリスマス・イブが始まります。
夕食後には交換したプレゼントの中身を開けます。

プレゼントを開け終わったら、外に出て友人に会ったり、外に出かけずに家で過ごすなど思い思いの時間を楽しみます。

12月25日:クリスマス(Jóladagur)
クリスマス当日の12月25日は家族と家でゆっくり過ごす日です。

12月26日:ボクシング・デー(Annar í jólum)
クリスマス2日目で祝日のボクシング・デーは、家族や友人と一緒に家でのんびりしたり、夜はパーティーをするためにバーに出かける人もいます。

12月31日:大晦日(Gamlárskvöld)
大晦日にはアイスランド国内の各地で大規模な焚き火をして、1年の振り返りと別れをします。

また、アイスランドでは市民が花火を打ち上げる文化があります。

1月1日:新年(Nýár)
12時の新年になると、アイスランドのさまざまな場所で花火が打ち上がります。

アイスランドでは12月28日〜1月6日までの期間内に花火の販売と使用が許可され、一般市民が花火を打ち上げる文化があります。

1月6日:公現祭(Þrettándinn)
公現祭(エピファニー)はキリスト教のお祭りのことです。

クリスマスシーズンの最終日である1月6日は、アイスランド国内の各地で焚き火や花火、エルフの歌・ダンスをして祝います。


Yamada
Yamada

アイスランドではルター派のキリスト教徒が多い国のため、キリスト教に関連した行事や祝日が多いです。

1ヶ月前からクリスマスの飾り付けをする

アドベントキャンドル

アイスランドでは11月末になると、各家庭でロウソク「アドベント・キャンドル」の準備をします。

アドベントとは?

アドベント(Advent)は日本語で「待降節(たいこうせつ)」という意味で、イエス・キリストの誕生を待ち望む期間のことです。
アドベントの期間は11月30日に最も近い日曜日から、12月24日のクリスマス・イブまでの約4週間です。

アドベント・キャンドルを飾る方法は、主に2種類あります。

1つ目のアドベント・キャンドルを飾る方法は、4本のキャンドルに円形の花輪をした装飾用リースを使います。
11月30日から最も近い日曜日に1本のロウソクに火を灯して、クリスマス・イブまでの毎週日曜日に1本ずつ(合計4本)ロウソクに火を灯して、クリスマスを待ちます。

2つ目のアドベント・キャンドルを飾る方法は、1から24までの数字が書かれたロウソクを買い、クリスマス・イブまで毎日1本ずつロウソクに火を灯して、クリスマスを待ちます。

クリスマスプレゼントは本が定番

アイスランドではクリスマスプレゼントに本を贈るのが定番です。

アイスランドの人たちには本好きが多く、一般の人が自伝を出版するのが多い国でもあります。

アイスランドでは毎年クリスマスシーズンの前に大量の本が出版され、この現象を「クリスマス本の洪水(アイスランド語:Jólabókaflóð、英語:The Christmas book flood)」といいます。

11月中旬には、アイスランドでブック・ブリテン(アイスランド語:Bókatíðindi 、英語:Book Bulletin)というカタログが家に配られ、このカタログから家族や友達にクリスマスプレゼントする本を選びます。

墓地がライトアップされる

アイスランドのクリスマスシーズン中は、亡くなった家族のことを思い出す時期であり、墓地がイルミネーションでライトアップされます。

墓地をイルミネーションでライトアップする理由は、亡くなった方々に敬意を払う意味が込められています。

クリスマス・イブには家族が墓地に集合して、墓石をロウソクやクリスマス用の電飾で飾りつけます。

国会議事堂前にはクリスマスツリー

レイキャビク中心地にあるクリスマスツリー

アイスランドの首都「レイキャビク」にある国会議事堂(アルシング)の広場前には、毎年10m以上の高さのクリスマスツリーが設置されます。

レイキャビク市民にとってアルシングの広場前にあるクリスマスツリーは、クリスマスシーズンの始まりの象徴として親しまれています。

アルシングの広場にあるクリスマスツリーは、ノルウェーの首都であるオスロ市から贈られたもので、1951年以降レイキャビク市とオスロ市は友好関係にあります。

ただし、近年のクリスマスツリーは、オスロ市からレイキャビク市へ運ぶために排出される二酸化炭酸などの環境問題から、アイスランドにある木をクリスマスツリーとして使用されています。

アイスランドのクリスマス伝承

ユールラッズ

アイスランドではクリスマスの民間伝承が語り継がれていて、以下のキャラクターが存在します。

  • 13人のサンタクロース
  • サンタクロースの親
  • 大型の黒猫

上記キャラクターの伝承は17世紀ごろに登場したとされ、地域や時代の流れによって伝承内容がそれぞれ異なります。

その後、アイスランド出身の作家・詩人である「Jóhannes úr Kötlum」が1932年に出版した本「Jólin koma」の中で紹介しているクリスマス伝承がアイスランド全土に広がりました。

それでは、各クリスマスのキャラクターが登場する伝承内容を紹介していきます。

13人のサンタクロース

アイスランドには「ユールラッズ(Yule Lads)」という13人兄弟のサンタクロースがいます。

サンタクロースというと、日本では優しいイメージをもつ方も多いでしょう。
アイスランドのサンタクロースはものを盗んだり、嫌がらせをするのです。

アイスランドのサンタクロースは12月12日から毎日一人ずつ山から町に降りてきて、クリスマス・イブの24日に全員が町に集合します。

いたずら好きなアイスランドのサンタクロースですが、子どもが窓の近くに置いた靴の中にプレゼントを入れてくれる場合があります。
ただし、良い子じゃないと靴の中にジャガイモを1つ入れていくかもしれません。

サンタクロースの親

アイスランドのサンタクロース(ユールラッズ)には親がいて、母親の名前が「グリーラ(Grýla)」で父親の名前が「レパルディ(Leppalúði)」です。

グリーラは背が高くて悪いトロール(妖精)で、グリーラはいたずらをする悪い子供たちを大きな袋に入れ連れ去ります。
その後、グリーラの住処である洞窟に子供たちを連れていき、鍋で茹でて食べてしまいます。

レパルディは誰も食べずいたずらもしない怠け者のトロール(妖精)で、レパルディは住処の洞窟に閉じこもって暮らしています。
アイスランド語のレパルディ(Leppalúði)は日本語で「敗者」という意味です。

大型の黒猫

アイスランドではクリスマスシーズンになると、人よりも大きい黒猫「ユールキャット(アイスランド語:Jólaköttinn、英語:Yule Cat)」が現れます。

ユールキャットは別名「クリスマスキャット(Christmas Cat)」とも呼ばれ、この猫はサンタクロース(ユールラッズ)とその親のペットという設定です。

ユールキャットの伝承を記した書物は19世紀に発見され、ユールキャットはクリスマス・イブの夜までに新しい服を用意できなかった子供(大人も含む)を食べるダークな伝承です。

昔のアイスランドでは羊毛加工が盛んで、羊毛加工の仕事を終わらせる対策として、ユールキャットの話が生まれたと言われています。

つまり、羊毛加工の仕事をしない者は新しい服を入手できないので、ユールキャットに食べられてしまいます。

アイスランドのクリスマス料理

アイスランドでは、伝統的なクリスマス料理を食べながらクリスマスを祝います。

アイスランドのクリスマス料理には以下が挙げられます。


ハンギキョート
ハンギキョートは、羊肉を燻製したクリスマスの伝統的な肉料理です。

ライチョウ
ライチョウ(雷鳥)はキジの仲間で、クリスマス・イブのテーブルに出されます。

葉のパン
葉のパンは、クリスマスの伝統的なパン料理で、表面が幾何学模様をしているのが特徴です。

クリスマス・クッキー
ジンジャーブレッドクッキーなど、さまざまなクッキーがクリスマスに焼かれます。

クリスマス・ドリンク
クリスマス・ドリンクは、モルトとアペルシン(オレンジ風味のソフトドリンク)を混ぜ合わせた飲み物のことです。


アイスランドにあるクリスマスマーケット

アイスランドのクリスマスシーズンには、各地でクリスマスマーケットが出現します。

アイスランド各地で開催される主なクリスマスマーケットは、以下になります。


ハルパ
ハルパ(Harpa)はレイキャビクにあるコンサートホールで、毎年12月にクリスマスの食材を集めたマーケットが開催されます。

レイキャビクのダウンタウン
レイキャビクの中心地にある「Hjartagarður」では、クリスマスマーケットが開催されています。

ハフナルフィヨルズゥル
ハフナルフィヨルズゥル(Hafnarfjörður)はレイキャビクから南に位置する街で、毎年クリスマス村が出現します。

ヘイズメルク
ヘイズメルク (Heiðmörk) はレイキャビク郊外にある自然が豊かな地域で、ヘイズメルクの森の中ではクリスマスマーケットが毎年開催されています。


クリスマスシーズンにアイスランド旅行をするときの注意点

年末年始を含むクリスマスシーズンのアイスランドは、海外からの観光客が多くやってきます。

クリスマスシーズン中にアイスランド旅行を計画している方は、以下の点で注意をしましょう。

  • 営業時間に注意
  • レストランの予約はお早めに

営業時間に注意

クリスマスシーズン中のアイスランドでは、多くの施設で営業時間が短くなったりお休みをしているので、レストランやスーパーマーケットなどを利用するときには注意が必要です。


レストラン
クリスマスシーズンで祝日の12月24日・25日・26日には、一部のレストランがオープンしています。

クリスマスが本格的に始まる12月24日には、レストランが閉まっていたり、夕食のみの営業などがあります。

スーパーマーケット
アイスランドにあるスーパーマーケットの多くは12月24日や31日に閉店時間が短くなり、12月25日や1月1日にはお休みしているところが多いです。

同じスーパーマーケットでも店舗によって営業時間がことなります。

アルコール店
アイスランドでアルコールの販売をしている店の名前は「ヴィンブージン(Vínbúðin)」です。

ヴィンプージンの営業時間は、例年だと12月24日と31日の午後に閉店をして、休みは25日と26日、1月1日です(毎週日曜日はお休み)。


レストランの予約はお早めに

クリスマスシーズン中にアイスランドにあるレストランを利用したい場合、予約は早めにしときましょう。

レイキャビク市内にある人気のレストランでは予約で席が埋まってしまう可能性が高いので、アイスランドのクリスマス料理を楽しみたい方は早めの予約をオススメします。

【まとめ】アイスランドのクリスマスは日本と違う文化!

アイスランドのクリスマス(ユール)について、解説をしました。

今回の記事をまとめると、以下になります。

  • クリスマスプレゼントには本を贈ったり墓地のライトアップなど、独自のクリスマス文化
  • 13人のサンタクロースや大型の猫など、独自のクリスマス伝承が語り継がれている
  • ハンギキョートや葉のパンなど、独自のクリスマス料理がある
  • アイスランド各地でクリスマスマーケットが出現する
  • クリスマスシーズンにアイスランド旅行をするときには、店舗の営業時間やレストランの予約をする

クリスマスシーズンのアイスランドでは、氷の洞窟やオーロラなど魅力的なアクティビティも多いので、アイスランド旅行をしたい方にはおすすめのシーズンです。

旅行でアイスランドのクリスマス文化を体験してはいかがでしょうか?

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